85歳の母は、日常の行動はしっかりしており、一人で生活できています。死んだ父の遺産もあり、最後に景色のよい家で死にたいと、物件を探して、契約しました。手付けを入れましたが、最後になってやっぱり今の家でいいと言い出し、残代金を払わないので、違約金は払いませんでしたが、手付けは没収されました。実は、同じことがこれで2度目です。最近、また、前と同じようなことを言い始めていますが、防止するにはどうしたらいいでしょうか?

お母様のようなケースでは、成年後見制度による手続きをとることも一つの方法です。
成年後見制度のうち任意後見制度は、本人が健康で判断能力が十分なうちに将来認知症等で判断能力が不十分となった場合に備え、あらかじめ、任意後見契約により任意後見受任者を指名しておき、本人の財産管理について、将来認知症等障害が発生した場合でも可能な限り本人の意思が反映されるようにしておくものです。

任意後見受任者は親族でも指名することが可能で、本人との間で公正証書を作成し、公証人の嘱託によりこの旨の登記がなされます。

本人の判断能力が衰えて、任意後見事務を開始する必要が生じたときは、任意後見受任者や親族等が、本人の同意を得て、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立を行ない、家庭裁判所がその選任を行うと、そのときから任意後見受任者は任意後見人となり、任意後見契約に定められた仕事を開始することになります。

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