売主の不動産業者が倒産したときでも、買主が保護される法律があると聞いたのですが?

柱や梁など建物の基本構造部分に重大な欠陥があったり、雨漏り等があるときは、新築住宅の売主業者には10年間の瑕疵担保責任があり、買主は売主に補修等を請求できますが、売主が倒産してしまうとこの保証を受けられず、損害の賠償もできません。
そこで、平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅の売主業者には、(1)保証金の供託、または、(2)責任保険契約の締結のいずれかの措置を講ずることが義務付けられました。売主が倒産等で瑕疵担保責任を果たすことができないときには、供託金または保険金により補修等に必要な費用が買主に支払われることになります。

中古住宅購入を検討していますが、その家の敷地は個人の地主が所有権を持ったままの位置指定道路に接しています。媒介(仲介)業者は「昨年、隣の家を媒介した時に、地主はその道路の利用や掘削を認める承諾書を書いてくれた。地主は高齢で書類作成を面倒がり、今度は頼んでも書いてくれないが、他の昔から住んでいる家の人たちは普通に通行しているので問題ない。」と言っています。不動産業者の話を信じて買うことに問題はないのでしょうか?

位置指定道路とは、道路法等によらないで築造する幅員4m以上の道路で、特定行政庁から位置の指定を受けたものをいいます。道路ですから通行に関しては一般の道路に準ずると考えられますが、所有者のいる私道の場合は、道路掘削時の承諾料を要求されたり、売却され所有者が変わってしまうこともあります。また銀行ローンの条件として道路の利用や掘削に関する承諾書が必要な場合もあります。契約するに際しては将来的な紛争を防止するためにも地主に承諾書を作成してもらうことが大切なポイントとなります。

不動産業者が出した広告を見て、市街化調整区域内の格安の土地を買いました。広告では家庭菜園向きの土地で、コンテナハウスやトレーラーハウスなど可能と記してありました。ちゃんとした別荘を建てるのは無理かなという疑いも多少持ちましたが、問題はないだろうと思い契約しました。ところが、役所に聞くと別荘は建てられないとのことなので、解約し、返金もしてもらいたいと思いますが可能でしょうか?

市街化調整区域内では、原則として別荘等の建築物は建築できません。コンテナハウスやトレーラーハウスは、建築基準法上の建築物に該当すると判断されることもあり、その場合は市街化調整区域内では原則的にそれらが建てられないことになります。別荘を建てる目的で土地を購入したにもかかわらず、その目的が達成できず、別荘が建てられないことを、売主である不動産業者が重要事項説明書に記載し説明していないのであれば、契約を解除し、支払金を返してもらうことは可能です。

住宅を建てるつもりで買った宅地が市街化調整区域内の土地で、家は建たないと市役所の人から言われました。 媒介(仲介)業者からそんなことは聞いていませんでした。契約を解除できますか?

市街化調整区域内の土地は、原則として住宅を建築することはできません。媒介(仲介)業者は、重要事項説明において”住宅を建築することはできない旨、もしくは例外規定”を説明しなければなりません。住宅を建てる目的でこの土地を購入したにもかかわらず住宅が建てられず、建てられないことを売主や媒介業者が説明していないのであれば、契約を解除することは可能です。

2018年3月20日 | カテゴリー :

夏の花火大会が見えるというのがセールスポイントで、広告にもそう記載してあったマンションを購入しました。実際に住んでみると、途中にビルがあって、私の部屋からは見えません。消費者契約法に基づいて売買契約を取り消し、代金を全額返してもらうことはできますか?

消費者契約法4条1項1号は、事業者が重要事項について事実と異なることを告げたことにより事実を誤認して契約したときは、これを取り消すことができると規定されています。夏の花火大会が見えることが購入を決定するにあたり重要な事項であったのに、実際は全く見えないのであれば、同法同条の適用により契約の取り消しができるものと考えられます。

新築マンションを購入する契約をして、完成した部屋を見たら、 南側にある建物のせいで午後早くから日が当たらなくなってしまいます。”日当たりは十分です”との説明を聞いて契約したので、契約を解除できますか?

宅建業法では、将来の環境等の利便について誤解されるような断定的な判断の提供をすることを禁止されています。しかし、 ”日当たりは十分です”という営業のセールストークだけを捕らえて、 この断定的判断の提供に当たるかどうかを判断することは困難です。
契約をする前に現地を確認されていることが殆どかと思いますが、南側の建物は、契約の時点ですでに存在している建物となりますから、 ある程度日照が妨げられることは現地の確認により容易に推察することが出来ることも考えられます。 「重要事項説明書」にどのように記載され説明されたのかが大切なポイントとなりますので契約の解除ができるか否かは、 契約締結までの事情等が総合的に判断されることになると考えられます。

新築マンションを買う契約をする時に、売主のマンション業者が隣地の建築計画を説明してくれませんでした。 私の部屋の日当たりや風通しに影響を受けることは確実です。業者の責任を追及できますか?

隣地の建築計画などは、買主にとって大きな関心事であり重要な判断要素です。マンションの売主業者はこれらの事項について説明義務を負っているといえます。隣接地の建設計画等について知っている場合だけでなく、建築計画に関する標識等により容易に調査することができる場合も説明義務を負います。業者がこれを怠っていた場合にはその責任を追及することが可能です。

前面道路は”2項道路(ニコウドウロ)”と言われましたが、どういう道路ですか?

建築基準法第3章の第42条第2項に規定された道路のことです。一般に「2項道路」といわれ、この建築基準法第3章の規定が適用されたときに、既に建築物が建ち並んでいた幅員4m(特定行政庁が指定する区域においては6m)未満の道で、特定行政庁が指定した「みなし道路」のことです。
原則として現在の道路の中心線からそれぞれ2m(特定行政庁が指定する区域においては3m)ずつ後退させた線が道路の境界線とみなされ、後退した部分(セットバック部分)には、建築物を建築することはもちろん、門、塀等も築造することはできませんので注意が必要です。

2018年3月20日 | カテゴリー :

公道に非常に細長い通路で接している宅地を買いました。ちゃんと家が建つのでしょうか?

ご質問の土地は「路地状敷地(ろじじょうしきち)」といわれるものですが、原則として、土地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければ建物を建てることはできませんので、まずその路地状の部分の幅員が2m以上あるのかを確認する必要があります。

路地状敷地については、「路地状の部分の長さと幅員の関係」を条例で規制している場合がありますので、管理している行政の窓口で確認することも大切です。

2018年3月20日 | カテゴリー :

気に入った物件があったので購入を検討していますが、現在の自宅から媒介(仲介)業者や物件が遠距離のため、 出向く時間が取れません。重要事項説明書を郵送でやり取りしてはいけないのでしょうか?

宅建業者が宅地・建物の取引を行う場合には、宅地建物取引士をして、取引主任者証を提示させ、 重要事項説明書およびその添付資料により取引の相手方に説明すること等が義務づけられています(宅建業法35条1項、2項)。
宅地・建物の取得は価格も高額となることもあり、失敗は許されませんから、遠距離であっても、宅建業者と会って説明を受けた上で、 契約を締結する必要があります。

弊社ではお忙しい方やお体のご不自由な方のご自宅などご指定いただいた場所に訪問して重要事項説明などを行い、納得の上で契約して頂く訪問サービスを随時行っております。

いつでもお気軽にご相談下さい。