マイホームを探しています。「売地」や「新築住宅」と書かれた看板がよく電柱に張られていますが、信用してよいものでしょうか?

不動産広告の内容や表現の仕方などは、「不動産の表示に関する公正競争規約」により規制されていますが、電柱等にビラ等を掲出する行為は都道府県の条例で禁止されることが多く、表示の内容も制限され、中には掲載されている物件そのものがいわゆる「オトリ」である場合もありますので、あまり信用できるものはありません。
広告はあくまでも参考資料のひとつに過ぎないものと認識して、広告に記載されない内容も多いのですから、実際に現地に行き対象となる物件をよく確認すること、分からないことがあれば納得できるまで担当者などの話を聞くことが重要なことです。

自分の住んでいる住宅を売りたいと思っていますが、信頼できる不動産業者はどうやって探せばよいでしょうか?

信頼できる不動産業者であるかどうかは、法令を遵守して宅建業者としての義務を果しているか、経歴はどうか、取引上トラブルは起こしていないかなどを調べて、それらの結果を総合して判断するとよいでしょう。
国土交通省の各地方整備局等および各都道府県の担当課では、その地域内に事務所のある宅地建物取引業者の名簿と免許申請書等が閲覧できます。

なお、行政処分の有無などは、担当職員に聞いてみるのも方法です。

現在一戸建て住宅を所有し、そこで暮らしています。今後は都心のマンションを買って住む予定です。マンションの購入費の一部に今の家の売却代金を充てる必要があります。もし売れなかったらという不安もありますが、どうすればよいでしょうか?

手持物件を処分した売却代金(全部又は一部)で新しい住宅を購入する「買換え」のとき

(1)手持物件を処分してから、新規物件を購入する(売り先行)

(2)手持物件を処分する前に新規物件を購入する(買い先行)

上記2通りの方法があります。(2)の売却ができていない、つまり資金の確保ができていない状態で購入の契約をすることは、大きなリスクを負うことになります。

(1)の手持物件を処分して、一時賃貸住宅に仮住まいをしても、購入代金を確保した上で、腰をすえて希望のマンションを探したほうが安全な方法ではあります。
もし、手持物件を処分する前に購入の契約をするときは、「手持物件が売却できなかったときには、契約を解除できる又は契約は消滅するとする特約として、”買換え特約”をつけてもらうようにしましょう。

土地付き建物を購入する契約をしました。一部を父に出してもらい残りを住宅ローンで組む予定でしたが、父から断られました。銀行に行くと、購入金額の全額ローンを出してもいいと言われましたが、全額住宅ローンでは支払いがきついので断りました。ローン特約で白紙解約できますか?

ローン特約とは、ローン不成立の場合には契約を無条件で白紙に戻すことを当事者間で合意するものです。この場合はローンが不成立になったわけではないのでローン特約による解除はできません。資金計画は、購入資金以外の諸費用を含め、契約前に充分に検討しておくことが必要となります。

私はローンが一部しか借りられなかったので、 マンションの購入契約を解除するつもりですが、媒介(仲介)業者から手付金は返せないと言われて困っています。ローン特約とはどういうものですか?

ローン特約とは、不動産を購入するに当たって、買主が売買代金を金融機関などからの融資を利用することを前提に売買契約を締結し、融資の全部または一部について承認が得られなかった場合には、その売買契約を無条件で白紙解除(解除条件)したり、契約を解除することができる(解除権の留保)との条件を約定することをいいます。この場合、手付解除や契約違反などの解除の適用はされず、支払済の手付金は買主に返還されます。
「ローン特約」を付けるときは下記のような設定を明確にして約定することに注意が必要です。

1.融資申込金融機関

2.融資金額

3.融資が承認されるまでの期間

4.融資が承認されなかった場合の対応策

あなたの契約が、「ローン特約条項」によって契約の解除がされるのであれば、売主は手付金を返還しなければならず、 媒介業者は買主に対して手付金が返還できないと主張することはできません。

建築条件付土地の売買契約をしましたが、建物の間取りが気に入らず、請負契約にまでは至りませんでした。しかし、不動産業者から設計料を請求されています。私から設計を頼んだ覚えはないのに、必要経費として支払わなければならないのでしょうか?

建築条件付土地売買契約の場合、一定期間内に建物の建築請負契約が締結されなければ、土地の売買契約は無条件で解除されますので、設計料等の支払い義務はありません。

”建築条件付土地”と書いてある広告を見ました。”建築条件付土地の売買”とはどういうものですか?

土地の売買契約を締結するに当たって、 その土地の売主が自己または自己の指定する建築業者と一定期間内に建物の建築請負契約を結ぶことを条件とすることをいいます。
建物の建築請負契約が締結に至らなかった場合には、土地の売買契約は無条件で解除されます。
「建築条件付土地売買」契約を締結するときの注意点としては、

1.一定の期間内に建物の建築工事請負契約を締結することを条件とすること。

2. 1.の請負契約を締結しなかったとき、または建築しないことが確定したときは、 本売買契約は解除になること。

3. 2.により本売買契約が解除となったときは、売主はすでに受領している手付金等の金員全額を買主に返還することおよび売主は本件契約の解除を理由として買主に損害賠償または違約金の請求はできないこと。

などが土地売買契約書に条件として約定されていることを確認しておきましょう。

父親が娘の私のために、父親の名義で未完成のマンションの1室を購入し、全代金の20%に当たる手付けを既に支払い済みです。父親は高齢のため万一のことも考えて(相続人となるのは私以外に兄と弟がいます)、引渡しを受けていない未完成の状態のまま、さらに代金(中間金)を売主業者に払うつもりのようですが、何か問題ありますか?

未完成の状態であっても、中間金を支払うことについては特段の問題はありませんが、手付金と同様きちんと保全措置がとられることを確認することが大切です。また、買主に万一のことがあった場合には、財産は相続されることになりますので、それに備えるためにも遺言などについて、専門家等に相談しておくとより安心かと思います。

建物の建具や造作、設備などに不具合がある場合も10年間は補修してもらえるのでしょうか?

瑕疵担保履行法の対象となるのは、住宅品質確保法に基づく「構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分」に限定されます。その他の瑕疵については、契約ごとに売買契約の定めや売主業者独自のアフターサービス規準、メーカー保証などにより対応されることになります。

契約時に内容をしっかり確認しましょう。

売主の不動産業者が倒産したときでも、買主が保護される法律があると聞いたのですが?

柱や梁など建物の基本構造部分に重大な欠陥があったり、雨漏り等があるときは、新築住宅の売主業者には10年間の瑕疵担保責任があり、買主は売主に補修等を請求できますが、売主が倒産してしまうとこの保証を受けられず、損害の賠償もできません。
そこで、平成21年10月1日以降に引き渡す新築住宅の売主業者には、(1)保証金の供託、または、(2)責任保険契約の締結のいずれかの措置を講ずることが義務付けられました。売主が倒産等で瑕疵担保責任を果たすことができないときには、供託金または保険金により補修等に必要な費用が買主に支払われることになります。